遅くなってしまったけれど、今日の投稿なのでした。
絵の制作の気分転換に『Art&Fear』の翻訳作業をはさんでいるのですが、この本の良いところは、創造性や才能というものを徹底的に芸術から排除して、芸術作品を作るのはありふれた普通の人間である、というスタンスから作品制作への向き合い方について書かれていることです。
分かりきったことであるけれど、作品制作というのは大体が苦しい作業です。
単純に技術的な問題などはまだ優しい方で、自我と作品を同一視してしまったがために訪れるメンタル面への打撃だとか、自分では上手いと思ってるほどには現実がさほどではない辛さだとか……心がくじけるには充分すぎる量のリタイア要素が作品制作には待ち受けています。
専門学校にいた頃、まだコロナ禍が始まる前で体験入学が頻繁に開かれていたのですが、そのマンガ・イラスト科担当の先生は「本当のこと(本人が思ってるより、現実の腕前が遥かに劣っているという事実)を言うと来なくなるから……」と漏らしていました。
この本の中には、そういった苦しみに耐えて制作を続けるための真摯なヒントが多く詰まっています。
安易な回答ではなくて、正しい方向へと導いてくれる問いかけが見つかるのではないかと思います。
……問題は、日本語訳されて出版されてるのが、なんとも微妙な出来ということなのですが。
なんじゃこりゃ!って部分に関しては、まとまった量の訳出が出来たら、該当の部分だけ抜き出して掲載しようかとも考えています。
それではまたいつか