今年の年末はひとり家に閉じこもって、白い原稿を前に脳天を掻きむしってる。
きっと年始からしばらくまでそうだろうと思う。
できればどこか暖かい地で家族と過ごしたかった。
そんな中、ちょっと時期は早かったけれど、先日カニ鍋を囲めたのは幸いだった。
原稿は、人物は良いのだけど背景が辛い。
日常の背景を描いて、そこに違和感なく人物を配置するだけでも十分難しい。
特に難しいのは人物と背景とを結びつけること。
具体的には、影を通して一体感というか、臨場感というか奥行きというか……そういうのを演出することなのだった。
それなりに正確にやろうとすると、パースとか……逆光だと光源の消失点とかを考えないといけなくなる。
そうやって描いた上でキャラが埋もれず、視線を妨げず、間を活かし、無意味な塗抹主義にも足を突っ込まず……と色々要求があって、実に苦しい。
世には70%ぐらいの稼働率で気楽にやろうぜという意見もあるし、それは実に魅力的な選択肢に見えるのだが、今回は90%ぐらいの本気度で頑張りたいのだった。
「最近おっぱいを描いても元気が出ないんだ」
「重症ですね……」
真顔で品性の欠落した会話ができる友人のいる幸せ。
普段よりさらにリアルめな感じで
自分では可愛いと思うのに反比例して、周囲との認識がずれてくる傾向があるというが、実際どんなものだろうか……
何だか審美の基準がよく分からなくなって来るので、明らかにヤバい崩れは拾いつつ……描き続けるしか無いのだと思ってみる。