こういう時世だけど、初盆ということで割と沢山の人が見舞ってくれて、準備や応対になかなか忙しい数日でした。
法事などは突き詰めれば生きてる人のためにあるものだろうから、いま無理してまでするものではないのでは……とも思われます。
とはいえ、せっかく故人を偲びにいらしてくださった方々を無下にはできません。
懐かしい顔もちらほら見受けられ、故人の思い出やそれぞれも近況を語らう時間は、確かに楽しいものでした。
ところでわたしの中で、その人は真っ赤な服を着て寝たきりになっていて、亡くなる前日まで氷をがりがり食べていた姿が印象深く思い出されます。
しかし、それ以前の元気な頃の姿はおぼろげで、何が好きだったとか、そういう情報自体は記憶に残ってはいるけれど、具体的な絵になる記憶のようなものはあまりないのです。
別れが近づいて、より近くで見るようになって初めてその姿が記憶に強く残るというのは、なんだか寂しいことのように思えますね。
わたしは今、自分の周りの人々や物、景色のことをどれだけよく見ているのだろうと、書いていて何だか落ち着かない気持ちになってきました。
明日はこの世界をもっとよく見てやりたいと思う次第なのでした。
それではまたつか。